XIPHOZELINAE van Achterberg, 1979
オオアメイロコンボウコマユバチ亜科
[他の亜科との区別に用いる形態](Non-Cyclostome)
中型~大型のコマユバチで、大抵大型。内向大腮。後頭隆起線を欠く。後体節の挿入孔と後脚基節の挿入孔は節片で区分される。後翅翅室1Cuは後縁のほうが前縁よりも長い(翅脈1Aは翅脈M+Cuよりも長い)。後体節第1節の背板(側背板を除く)は長く、長さは幅の5倍以上。少なくとも日本産種では単眼は大きく、体色は黄褐色。触角は長く、産卵管は短い。
上唇は凹まず、大抵彫刻され、時折大腮の下に隠れる。後翅翅脈m-cuは大抵欠く。後体節第2背板の気門はほぼ常に側背板に存在する。後体節は第2、3節の間で曲がらない。
[主な生態]
鱗翅目幼虫の内部寄生性単寄生者。夜行性で、ヤガ類に寄生する。一般に多いグループではないが、しばしば灯火に飛来する。
[同定の際の注意]
コンボウコマユバチ亜科に一見すると似ているが、むしろヒメバチ科のアメバチ亜科やハバチヤドリヒメバチ亜科アメバチモドキ属(Netelia)と誤同定されていることの方がはるかに多い。
(上記解説中の翅に関する名称はSharkey, 1993に従っています)
灯火に飛来するいわゆる大型でアメ色の体をもつ寄生蜂の検索表
(後体節背板は多少とも側方から圧される)
1.前翅翅脈1/Rs+1R1(Rs+M)は欠く。
・・・ヒメバチ科 2へ
-.前翅翅脈1/Rs+1R1(Rs+M)は有する。
・・・コマユバチ科 4へ
2.後体節第1背板の気門は節の後方よりに存在し、柄側刻はほとんど欠く。前翅は鏡胞を欠く。多い。
・・・アメバチ亜科Ophioninae
-.後体節第1背板の気門は節の中央付近か基部よりに存在し、深い柄側刻を有する。前翅は鏡胞を有する。
・・・3へ
3.大腮は強くねじれない。顔面と頭盾はほぼ平らで、横から見た輪郭は連続した直線状。鏡胞は多少とも大きなひし形。後体節第1背板の気門は節の中央付近に存在する。♂の把握器は後方に強く伸長する。ふつう。
・・・フタオヒメバチ亜科Mesochorinae(国内ではAstiphromma属かCidaphus属)
-.大腮はたいてい強くねじれる。顔面と頭盾はそれぞれが若干隆起し、横から見た輪郭は連続せず、たいていそれぞれが丸みを帯びる。鏡胞は三角形で、比較的小さい。後体節第1背板の気門は節の基部付近に存在する。♂の把握器は後方に強く伸長しない。多い。
・・・ハバチヤドリヒメバチ亜科Tryphoninae (Netelia属)
4.後体節と後脚基節の付け根は横からみて隣接する。後体節第1背板の気門は基部よりに存在し、側方の窪み(laterope)は基部よりに存在する。口ひげの長さはたいてい頭部の厚みよりも短い。後翅翅脈cu-a(Cu & cu-a)はわずかに外斜~弱く内斜。ふつう。
・・・コンボウコマユバチ亜科Homolobinae(Homolobus属)
-.後体節と後脚基節の付け根は横からみて明瞭に離れる。後体節第1背板の気門は中央よりに存在し、側方の窪み(laterope)は基部から離れて、気門のすぐ前方に存在する。口ひげの長さは頭部の厚みよりも明らかに長く、日本産種では2倍以上。後翅翅脈cu-a(Cu & cu-a)はわずかに強く内斜。やや少ない。
・・・オオアメイロコンボウコマユバチ亜科Xiphozelinae(Xiphozele属)
東アジアにはXiphozele属のみが産する。
日本産既知種のリスト(2021年版)
Xiphozele Cameron,1906
Cerotopia Enderlein,1920
compressiventris Cameron,1906 オオアメイロコンボウコマユバチ
corneimacula (Enderlein,1920) (Cerotopia)