日本産膜翅目の科名の一覧と概算の種数
ここでは日本から記録のあるハチの高次分類の一覧をリスト形式で紹介します。また、種数(概算)も紹介します。これらの分類体系は以下の文献に準じています。
広腰亜目
内藤親彦・篠原明彦・原 秀穂, 2020. 日本産ハバチ・キバチ類図鑑. 552 pp. 北海道大学出版会, 札幌.
(日本昆虫目録の後に出版されたため、こちらの文献に準じた)
細腰亜目
(有錐類/寄生蜂類)
日本昆虫目録編集委員会編, 2020. 日本昆虫目録 第9巻 膜翅目 (第2部 細腰亜目寄生蜂類). xxvi+693 pp. 日本昆虫学会, 京都.
(有剣類)
日本昆虫目録編集委員会編, 2020. 日本昆虫目録 第9巻 膜翅目 (第3部 細腰亜目有剣類). xxv+434 pp. 日本昆虫学会, 京都.
分類群によっては高次分類に諸説あるものもあり、例えばコガネコバチ科とその近縁のグループの高次分類は近年新しい学説が提唱されています。しかしながら、このページでは上記文献以降の変更や追加は反映しておりませんので、ご了承ください。
日本産のハチの種数については、毎年のように多くの新種や新産種の追加があり、一方で異名による減少もあるため、正確なカウントは困難です。上記文献に記述されている種数は以下の通りです。
広腰亜目:11科159属875種
細腰亜目有錐類:38科1079属4205種
細腰亜目有剣類:21科283属1557種
計:70科1521属6637種
上の集計より、少なくとも6637種のハチが日本に分布するといえますが、その後当ウェブサイト管理人らも含む多数の研究者が、多くの新種を記載したり、日本新産種を報告しています。それらを考慮すると、2024年3月時点の概算では、約6700種のハチが日本から記録されているといえます。そのうち約60%が有錐類の仲間で、その有錐類の中でヒメバチ上科は70%近い種数を占めます。有錐類の中で比較的解明度が高いとはいえ、この仲間が圧倒的な多様性をもつことが見て取れます。
(リストの凡例)
・科の配列順はそれぞれの参考文献に準じた(ABC順ではない)。
・科の学名の前の"Family"は省略した。
Order HYMENOPTERA 膜翅目(ハチ目)
Suborder SYMPHYTA 広腰亜目(ハバチ亜目)
Superfamily Xyeloidea ナギナタハバチ上科
Xyelidae ナギナタハバチ科
Superfamily Megalodontoidea ヒラタハバチ上科
Pamphiliidae ヒラタハバチ科
Superfamily Tenthredinoidea ハバチ上科
Blasticotomidae ヨフシハバチ科
Argidae ミフシハバチ科
Cimbicidae コンボウハバチ科
Diprionidae マツハバチ科
Tenthredinidae ハバチ科
Superfamily Cephoidea クキバチ上科
Cephidae クキバチ科
Superfamily Siricoidea キバチ上科
Siricidae キバチ科
Superfamily Xiphydrioidea クビナガキバチ上科
Xiphydriidae クビナガキバチ科
Superfamily Orussoidea ヤドリキバチ上科
Orussidae ヤドリキバチ科
Suborder APOCRITA 細腰亜目(ハチ亜目)
PARASITICA 有錐類(ヤドリバチ類、寄生蜂類)
Superfamily Cynipoidea タマバチ上科
Ibaliidae ヒラタタマバチ科
Liopteridae ザイタマバチ科
Figitidae ヤドリタマバチ科
Cynipidae タマバチ科
Superfamily Proctotrupoidea シリボソクロバチ上科(旧和名:クロバチ上科)
Proctotrupidae シリボソクロバチ科
Heloridae クシヅメクロバチ科
Roproniidae イシハラクロバチ科
Diapriidae ハエヤドリクロバチ科
(Vanhorniidae ツツハラクロバチ科が未記録だが標本が確認されている)
Superfamily Platygastroidea ハラビロクロバチ上科
Platygastridae ハラビロクロバチ科(含、旧タマゴクロバチ科)
Superfamily Ceraphronoidea ヒゲナガクロバチ上科
Ceraphronidae ヒゲナガクロバチ科
Megaspilidae オオモンクロバチ科
Superfamily Chalcidoidea コバチ上科
Mymaridae ホソハネコバチ科
Trichogrammatidae タマゴコバチ科
Aphelinidae ツヤコバチ科
Azotidae オナガツヤコバチ科
Tetracampidae ケブカコバチ科(旧和名:クビナガコバチ科)
Eulophidae ヒメコバチ科
Agaonidae イチジクコバチ科
Cynipencyrtidae タマバチヤドリトビコバチ科
Encyrtidae トビコバチ科
Tanaostigmatidae マメトビコバチ科
Eupelmidae ナガコバチ科
Chalcididae アシブトコバチ科
Leucospidae シリアゲコバチ科
Eurytomidae カタビロコバチ科
Pteromalidae コガネコバチ科
Torymidae オナガコバチ科
Ormyridae タマヤドリコバチ科
Perilampidae マルハラコバチ科
Eucharitidae アリヤドリコバチ科
Superfamily Evanioidea ヤセバチ上科
Aulacidae セダカヤセバチ科
Evaniidae ヤセバチ科(異名:ゴキブリヤセバチ科)
Gasteruptiidae コンボウヤセバチ科
Superfamily Stephanoidea ツノヤセバチ上科
Stephanidae ツノヤセバチ科
Superfamily Megalyridae イトヒキバチ上科
Megalyridae イトヒキバチ科
Superfamily Trigonaloidea カギバラバチ上科
Trigonalidae カギバラバチ科
(Trigonaloidaeなど複数の綴りが存在する。詳しくは渡辺・山根(2017)を参照)
Superfamily Ichneumonoidea ヒメバチ上科
Braconidae コマユバチ科(含、旧アブラバチ科)
Ichneumonidae ヒメバチ科(含、旧ミズバチ科、旧アリヤドリバチ科)
ACULEATA 有剣類
Superfamily Chrysidoidea セイボウ上科
Bethylidae アリガタバチ科
Chrysididae セイボウ科(含、旧セイボウモドキ科)
Sclerogibbidae シロアリモドキヤドリバチ科
Embolemidae アリモドキバチ科
Dryinidae カマバチ科
Superfamily Vespoidea スズメバチ上科
Tiphiidae コツチバチ科
Sapygidae ミコバチ科
Mutillidae アリバチ科
Pompilidae クモバチ科(異名:ベッコウバチ科)
Formicidae アリ科
Scoliidae ツチバチ科
Vespidae スズメバチ科(含、旧ドロバチ科)
Superfamily Apoidea ミツバチ上科
(Spheciformes: アナバチ型群)
Ampulicidae セナガアナバチ科
Sphecidae アナバチ科
Crabronidae ギングチバチ科(含、旧ハエトリバチ科、旧ドロバチモドキ科、旧アリマキバチ科、旧ヒメコシボソバチ科、旧フシダカバチ科)
(Apiformes: ミツバチ型群)
Colletidae ムカシハナバチ科
Andrenidae ヒメハナバチ科
Halictidae コハナバチ科
Melittidae ケアシハナバチ科
Megachilidae ハキリバチ科
Apidae ミツバチ科(含、旧コシブトハナバチ科)